Untitled
†匣ノ匣綺譚†

 昨日の19時を廻った頃か…店内はお客様やスタッフ、匣主さん、準スタッフの方で大変賑わっておりました。  私は店の奥、レジ前にいたのですが、店頭の入口辺りに、見掛けない高校生くらいの男の子が、店の中を興味深そうに覗き込んでいる。ふと、見ると、濃紺の詰襟の制服を着た、矢鱈に端正な花顏の、まるで長野まゆみ氏の小説に出て来そうな少年然とした透明感のある美少年だ…。 男の子は、アイスモナカの様なものを方張り、口の端にクリームを付けたまま、店の前のエレベーター横に立て掛けてある姿見を覗き込んで前髪を軽く直しては、また、店の入口に向き直り、彼是と物色したりしている。  匣ノ匣の店舗の前にあるエレベーターは業務用で、このビルで働いている各店舗の人々が日常的に利用する。『何階かの店舗の新人バイトかな…』などと、思いながらも、あまり綺麗な顔なのでついつい眼が奪われる…… 少し面長で柔らかそうなさらさらのストレートは眉にかかる辺りで揃えられ、最近の子にしては珍しく、奇を衒う事のない育ちの良さそうな清潔感のあるシンプルなヘアスタイルと、好奇心旺盛で利発そうな瞳と、活発そうな口許の豊かな表情、そして、さらに詰襟……なんだか、逆に此処まで来ると現実味がなうなぁ……などと思いながらも、事務仕事や接客に慌ただしくなり、そうこうしている内に、気がつくと居なくなっていた。 接客出来なかったのが些か心残りでめあり、あんまり綺麗な子だったので、スタッフに、 「さっき、お店の前に居た子、矢鱈に綺麗な子だったよね?」 と、云ったら、 「えっ、そんな子居ました?」 と、云う。他のお客様の接客で気が付かなかったのかな…と、思い、 「うん、詰襟で、長野まゆみの小説に出て来そうな少年然とした高校生くらいの……新しいバイトの子かな?」 と、説明したら 「え~!?」 と、店の中は一挙に女子モード…… が、此処から雲行きが怪しくなる。店舗内には、私を含めて5人程人が居り、入口や入口付近にもスタッフが居たりしたのだが、私以外の誰も彼を見ていない、と、云うのだ……「えー? 詰襟で、ちょい面長で、サラサラヘアで…」 と、説明しても、皆怪訝な顔をする…… 「ちょっとないくらい綺麗な顔立ちて、アイスモナカ食べながら口の端にクリームつけて其処の鏡覗き込んだりしてたし……」 なんか、説明すればするほどに胡散臭げになってくる。 終いには、 「ひょっとして、その人、学生帽かぶってませんでした?」だの、「五芒星のついた手袋してた?」だの、「眼帯してたでしょう?」だの、「下駄履いてた?」だの、 「単純に徊天百眼の人!?」だの「その人、生きてる人だった…?」だの云われる始末……。

居たのに……スゴく綺麗な男の子。

まぁ、生きてる人だったにせよ、死人だったにせよ、幻覚だったにせよ、私だけ眼福でした……で、終わらせて良いのか、此の話……。

興味のある方は!足繁く匣ノ匣に通われてみるか、ボランティアスタッフになってみては如何でしょう? 眼福に肖れるやも知れませぬよ。

mdr52:

こwwwれwwwはwww
生物の解剖をリアルに再現した「ぬいぐるみ」、はたして需要はあるか?